北海道のお花畑

 本州から来た登山者に、「北海道の高山植物はきれいだ。」と、言われたことがある。
若いとき、本州の山に登ったが、花にはたいして興味がなかった時代で、 よく覚えていないので比較できない。ただ、最近、再び山に登り始めたきっかけは、 お花畑に魅せられたからだと思っている。
 僕が登ったのは、美しい北海道の山のお花畑のほんのわずかな場所にすぎないが、 僕の心に残るお花畑を記しておこうと思います。
 読者の皆様の思い出の中にもきっと美しいお花畑があるでしょう。 ぜひ、メールでお便りをください。このページにお便りを追加したいと思います。 皆様と素敵なお花畑の話が出来ることを願っています。

アポイ岳  アポイ岳の記録、花
 1000mにも満たないこの山の、 花の尾根道は本当にすばらしい。今は、日高草はなかなか見られないが、アポイアズマキク、 サマニユキワリなどがいたるどころに咲く尾根は本当にすばらしい。
 可憐な花が咲く、壊れてしまいそうな自然。ここだけは未来に絶対残さねばならない。

旭岳・姿見平、裾合平  旭岳の記録
 7月、ロープウエイから姿見平におりると、 たくさんの高山植物が迎えてくれる。山に興味のない人も、花の可憐さに 感動するでしょう。この姿見の池周辺からちょっとだけぜひ足を延ばしてみよう。 北鎮岳方面へ、平らな道を行くと裾合平だ。ここは大雪山最大のチングルマの群生地だ。 一面の白いチングルマにピンクのエゾコザクラ、ツガザクラが咲く。花の楽園そのものだ。

赤岳・第二花園、駒草平  赤岳の記録
 僕が再び山に登り始めたのは 銀泉台から登った第二花園の美しさに魅せられたからだと思う。ここは、かなり遅くまで雪が 残り、花の時期は8月中旬から下旬ごろになるが、 残雪の雪解け水のせせらぎのまわりに、チングルマとエゾコザクラが咲く。 心なごむお花畑である。さらにもう少し登ると、駒草平につく。 ここの駒草は美しい。岩陰のいたるところにピンクの駒草が咲く。 大雪の中で、最も美しい駒草の群生地であろう。

大雪山・雲の平
 旭岳ー黒岳間は北海道の表銀座(北アルプスの表銀座をまねて)であるが 黒岳ー北鎮岳間の凌雲岳の裾野一帯を雲の平(北アルプスにも同名の場所がある)といい、 この表銀座で最も花の美しい場所である。

緑岳・第一花園、第二花園  高原温泉から白雲岳への記録
 大雪の秘境、高原温泉から緑岳へ登る途中に二つの花園がある。 何度か訪れているが、チングルマとエゾコザクラがきれいで、静かな花園だ。 ツガザクラも密集しているが、まだその最盛期に会っていない。 いつか、ツガザクラの時期に行ってみたいと思っている。

十勝・富良野岳方面  富良野岳ー三峰山ー上富良野岳の記録
 富良野岳は「花の百名山」にでてくる。十勝連峰では富良野岳の山頂の登りの斜面、 美瑛岳の山頂への登り斜面の花畑はきれいだった。ただ、いずれも、登りがつらく、ゆっくり 花をみる気分ではなかった。ぼくは、富良野岳から三峰山、上富良野岳の稜線が好きだ。 とくに、上富良野岳に近づくとイワウメの群生に会い感動した。

雨龍沼湿原
 雨龍沼湿原は忘れられない。白いワタスゲと黄色のエゾカンゾウ、そして 紫色のヒオウギアヤメの配色はみごと。暑寒別岳の山頂の増毛側にお花畑がひろがっている。

   
*ハムちゃんのひとり言* 
 まだまだ、美しいお花畑がたくさんあるでしょう。礼文島の美しさに感動した文を読んだ ことがある。五色が原の写真は何度も見た。日高のカールも原始の花園だ。 疲れた体をなぐさめてくれた羅臼岳の大沢のお花畑。東大雪・ニペソツ山の秘めたお花畑の 静けさ。北鎮岳から愛山渓へ下ったときの当麻乗越までのチングルマの尾根も忘れられない。

 お花畑をたどる縦走路を考えてみよう。ちょっと、時間がかかるコースですが、

(T) 銀泉台 → 第一花園 → 第二花園 → 駒草平 → 赤岳 → 緑岳
      → 第二花園 → 第一花園 → 高原温泉

(U) 層雲峡 → 黒岳 → 雲の平 → 北鎮岳 → 当麻尾根 → 裾合平
      → 姿見平 → ロープウエイ

  また新しい年がやってくる。今年はどこの花園に行こうか。考えるだけで胸がわくわくしてくる。(平成15年12月)