小泉秀雄をしのんで

 北海道新聞 平成15年8月4日朝刊に小泉秀雄の子孫の方が小泉岳に登った記事 がでていました。子孫の方も彼の業績を知らなかったとのことです。小泉秀雄は家族にも しゃべらず、黙々と山に登り、生物学の研究をつづけていた人のようです。きっと、とても 謙虚な人だったのでしょう。


*ハムちゃんの独り言*

             赤岳      小泉岳           白雲岳
                 烏帽子岳


黒岳より見る小泉岳

 赤岳から白雲岳へ向かう途中に小泉岳はある。実際に歩くと、これが山頂?と疑問をもつが、 黒岳山頂からは、烏帽子岳のうしろになだらかな丘として見える。
 山頂としては魅力はありませんが、小泉岳からは、赤岳から見えないトムラウシ山がはっきり見え、 大雪山の雄大さを実感できるいい場所です。また、緑岳への分岐点として重要なポイントになっています。 今回、子孫の方達はあいにくの雨の中の登山でたぶん見通しが悪かったことでしょう。晴天のとき もう一度訪問していただきたい。
 北海道・登山の歩みでも紹介していますが、 小泉秀雄は大雪山を研究した先駆者であり、その業績は限りなく大きい。 「大雪山の父」という称号が与えられているようですが、まだ一般的には普及していないようです。
 彼が活躍した時代は、大雪山という名前さえもまだなく、アイヌの人々が「ヌタプカムイシリ」 (山の名前とアイヌ語(2)参照)と呼んでいた頃のことである。 当然、大雪のいろいろな山々にも名前がついていなかったでしょう。 もっと大きな山に小泉岳の名前をつけてあげたい気持ちです。 新聞記事から推察すると、とても謙虚な方なようなので、「そんなことはやめてくれ。」と、 断られるかもしれません。その後、どのようないきさつで現在のピークに小泉岳の名前が つけられたかはわかりませんが、名前がついた山が残って本当によかったと思います。
 ところで、前に登ったとき、「小泉岳」の標識がかなり痛んでいました。 業績を讃え、ここに銅像(?)を建てたらどうでしょう。 でも、きっと本人は「とんでもない、やめてくれ。」と言うに違いありません。 今回の新聞記事で小泉秀雄という人の人柄に触れることが出来ました。