札幌から見える山(1)




 ふるさとの山を持っている人は多いと思う。しかし、地方都市もしだいに都会に なってきて、ビルなどの高い建物が建ち、山が見えなくなってきている。郊外に外出したとき 、畑の向こうに聳える山並に目を奪われるのは私だけではないだろう。
 札幌のビル街からは、山はずいぶん見えなくなっている。テレビ塔や高層ホテルの最上階 からは山が見えるが、なぜか感動は少ない。そこからは町並みやネオンの夜景の美しさがより似合うように 思われる。もともと山に囲まれている札幌の町。きっと、昔の札幌からはたくさんの山が見えたはずだ。
 だいぶ前になるが、書店で見つけた本、 朝比奈栄三・鮫島惇一郎編 「札幌から見える山」 (北海道大学図書刊行会)1985年。書名が気に入ってすぐ買った。この本を参考にしながら 札幌から見える山を調べてみたいと思う。

 この本に取り上げられている山は
   円山、三角山、藻岩山、手稲山、、余市岳、
   八剣山、札幌岳、空沼岳、天狗岳、無意根山
   恵庭岳、樽前山・風不死岳、夕張岳、芦別岳、暑寒別岳
   砥石山、百松沢山、神威岳・烏帽子岳、ピンネシリ
の、21山である。ただし、著者も言っているが、(定山渓)天狗岳、八剣山、は 街中からは見えないが、馴染み深く、よく知られているので選んだとある。また、 澄み渡たった日には旭山公園から、幌尻岳を盟主とする北日高の山並みや、十勝連峰・ 大雪山が見えるという。
 さて、この中に、まだ登っていない山がある。 砥石山、百松沢山、神威岳・烏帽子岳、 ピンネシリの5山。どうも、札幌近郊の山は森林限界までのアプローチが長く、いつまでも 見通しが悪いので、ついつい、避けてしまう。
 これらの山を札幌から見つけてみよう。札幌で山がよく見える場所はどこだろうか?僕の好きな場所は、上野幌ベニータウン 内の生協ルミネの屋上駐車場である。そこからの展望です。

イチャンコッペ山  恵庭岳           漁岳  空沼岳               札幌岳
恵庭岳・空沼岳 方面


         神威・烏帽子・百松沢岳 
    砥石山               藻岩山                   手稲山 
藻岩山・手稲山 方面


 こうして、札幌の山を見ると、やっぱり藻岩山は特別の山だ。アイヌの人々が 「いつも眺めるところ」と言っていたというがわかる気がする。  (アイヌ語と山の名前(1)参照。)

 次回はまた違う場所から、山を見つけよう。