ALS呼吸器停止事件

 ALSに罹患し「死にたい」と訴える息子の呼吸器を止めてしまった母。
そして、息子のあとを追って死を望んだ妻の思いを遂げさせた夫。
連続して二つの悲しい嘱託殺人事件がおこってしまた。




判決 :「嘱託殺人を認める」




ALS呼吸器停止事件続報

繰り返された嘱託殺人事件

ー 息子の呼吸器を止めた妻・・妻に頼まれ嘱託殺人を犯した夫 ー




 悲しい嘱託殺人事件である。 意思疎通が全く出来なくなっていく難病の息子は最後の力を振り絞り、「死にたい」と強く訴える。息子を深く愛する母は願いをかなえてあげたいと思う。医療・介護にあたっていた医療関係者もその悩みを理解し、全力でサポートしていた。主治医は「主治医に呼吸器を取り外しを求める訴訟を起こす」ことを提案するつもりであったという。
 母は現在の日本では呼吸器をはずすことのできるのは母である自分しかいないと考えたと思う。
 呼吸器の電源を切った母。そのとき、母も自殺を図るが助かる。しかし、息子のあとを追って死にたいという母の思いは消えることはなく、息子が母に願ったように、今度は母が自分の夫に死を依頼する。夫は妻の苦しみから救ってあげたいと考え、心中するつもりで妻を殺してしまうのである。
 この二つの事件は防ぐことは出来なかったのだろうか。日本では認めていないが、「苦しくて死にたい」と訴える患者を救う方法として安楽死を考えるべきなのであろうか?(2013.6.1 改)