救急医学会: 延命治療の中止「数十例」

ー 指針制定後 ー





 救急医学会が、救急の現場で、実際に治療が中止されたケースが数十例とのアンケート調査結果を発表した。この報道内容では意味がない。実際にどんな治療が中止されたのか?呼吸器が外されたのか。投薬が中止されたのか?具体的な対応を明らかにすべきである。数から判断すると、呼吸器が外されたケースであろうか?

もっともこの指針は
 @救急の現場に限定して
 A死期が間近に迫っている状況
での治療中止の条件、手続きを決めているにすぎない

 前回にも述べたように、これは実際の医療現場で行なわれている治療中止行為をはっきりと容認し、法的に罪を問われないようにしようという意味をもっている。実際の現場では、最後にはあきらめて見守る場合が場合が多数ある。広い意味では治療の中止が日常的に行われているのである。この指針は条件がそろえば、医師は治療を中止できるということを認めることに意義がある。将来の意味のない延命治療をやめ、尊厳死を認める方向の第一歩としては価値あることかもしれない。( 平成21年2月28日)