終末期医療に関するガイドラインについて

厚生労働省は終末期医療に関するガイドラインを発表したが、
それは医療現場の悩みに全く答えていない!


終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン



 このガイドラインは「医療チームと患者や患者の家族とよく話し合って、終末期医療に対処しなさい」と、単なる常識的手続きが記載されているだけである。終末期の定義や、責任の所在、免責の条件など医療現場の疑問には全く触れていない。また、患者本人の決定をもっとも重要な原則としているが、日々変化する様態のなかで、特に悪化している状況のなかでは本人と話し合うことは不可能である。前もって書かれた「尊厳死の宣言」のような文書は尊重するのは当然であるが、その考えも変わっていくこともあると思う。医師には「患者さんの生命を出来るだけ長く生かす治療」が義務づけられているが、今、それとは異なった新しい基準が必要となってきているのである。それはきっと、「患者さんの尊厳、人権を守る治療」ではないかと私は思っている。