No.80:「十乃沢」(十ノ沢)〜"ああ十の沢"[3分10秒]
[MIDI作成:山本公雄/演奏:Ham山本と楽団Sausage](2003.4.8)

あ あ 十 の 沢


 この曲は日高の北大・澤田パーティの遭難事故の鎮魂歌です。 昭和40年3月、日高の札内川十の沢で起こった大規模な雪崩で6名の 北大山岳部員が遭難しました。そして同年6月、雪崩の下で書かれた 澤田リーダーの遺書が発見されました。当時北海道警察本部に勤務しておられた 長沢柏洋氏(後に作詞家として活躍)が悲しみの詩を書かれました。
 昭和54年、その詩に作曲家、 梶原正毅氏が曲を付け、高上恵氏が編曲、 歌手 舟田淳子さんの 美しい歌声で鎮魂歌として完成しました。
 この歌は平成5年からは、毎年7月に中札内、清流ふれあい公園の慰霊碑で 行われる「札内川上流地域殉難者慰霊祭、安全祈願祭」で鎮魂歌として 歌われています。なお、中札内村が平成2年に建設した「山岳センター」に、 この遭難の遺品が展示されております。
 このページは「十勝毎日新聞」 中札内メールに紹介されました。

この遭難については、『山の随想』の「雪の遺書」に掲載しています。
*「雪の遺書」をみる*



           ああ十の沢
                         作詞 長沢柏洋
                         作曲 梶原正毅


   1   あこがれ待ちし 春山の
       澤田リーダ 外5名
       たのしきはずの ビバークに
       うらみの雪崩 十の沢

       友はいずこか 吾れ一人
       尊い命と あせれども
       刻々せまる 死への道
       哀しく散った 十の沢

       ああ恨みも深し 十の沢
       ああ恨みも深し 十の沢

   2   父母姉妹(チチハハシマイ) 友の父母(オヤ)
       わびるかじかむ 両の手を
       血にじみ凍り 力つき
       あえなく散った 十の沢

       わびつつ散った いとし子の
       み霊よ安らに 眠りませ
       慟(ドウ)こく胸に こみあげて
       二度とあるまじ 十の沢

       ああ恨みも深し 十の沢
       ああ恨みも深し 十の沢