No.35:"山の大尉" 編曲:山本公雄

 演奏 
 歌声 

山 の 大 尉

この歌はイタリア民謡とのことです。歴史ではイタリアアルプスに山岳兵は実在していたとのこと。 悲しい詩で「大尉の遺言」ともいう。曲は一見元気そうに演奏していますが、ゆっくり歌うとしみじみとした情緒が出で来る曲です。

「体を五つに切って、第一は皇帝へ、第二は連隊に、第三はわが母へ、 第四は恋人へ、最後は山々へ」と、歌っています。
 わが日本では遺骨を分骨することがありますが、キリスト教圏にも似たような 風習があるにでしょうか?
 ところで、死んだら、遺灰のほんの少しだけでいいけれど、山のお花畑にまいてほしい と思っているのは僕だけでしょうか?



        山の大尉
                原曲 イタリア民謡
                訳詞 牧野 文子


  1 山の大尉は傷ついた
   部下の山岳兵達に
   もう一度 ここで逢いたいと
   息絶え絶えに ことづけた

 2 山岳兵は ことづけた
   靴が無いので 歩けない
   「靴を履いても 履かんでも
   山岳兵に逢いたい」と

 3 陽はさし昇る 山の朝
   山岳兵は訪れた
   「大尉殿 何の命令です
   われ等はここに着きました」


 4 「私の体を五つに
   切ることを命じます
   はじめのそれは 皇帝へ
   部下の兵士の 記念にと」

 5 「ふたつめのそれは 連隊に
   大尉であった 記念にと
   第三のそれは わが母に
   息子の兵の 思い出に」

 6 「第四のそれは 愛人へ
   わが初恋の 思い出に
   最後のそれは 山々へ
   バラで山を 覆うため」