No.22b:"坊ケツル讃歌" 編曲:山本公雄  

坊ケツル讃歌(原曲)


写真:坊がつるから大船山(右手)を望む (山田隆義氏撮影)

 この原曲は広島高師山岳部歌である。昭和二十七年夏季、”あせび小屋”の 管理をしていた松本征夫、草野一人、梅木秀徳(何れも しんつくし山岳会の 前身であった、当時の九州山小屋の会員、松本は現しんつくし山岳員)の三氏が 坊ケツルー九重山の替歌を作ろうと口ずさみ、更にその原曲を、野田宏一郎氏 (当時、九州山小屋の会員、現しんつくし山岳会員)が編曲したものであり、 その替歌は、九州山小屋の会々報十一号で発表し、それを「しんつくし山岳会」で 歌っていた。
 最近、この歌が西鉄観光バスや福岡県教育庁関係その他で非常に親しまれているが 、その曲や歌詞も相当変わって歌われている。しかし当時の編曲ならびに歌詞はここ に示す通りである。(しんつく山岳会「山の歌集」より)

  今、一般的に歌われている「坊がつる讃歌」と、この原曲とは 楽譜で4ヶ所にわずかな違いがある。同じ伴奏で演奏しているが、さてその違いがわかりますか?


           坊ケツル讃歌(原曲)


 1 人皆花に酔う時も
   残雪恋し山に入り
   涙を流す山男
   雪解の水に春を知る
          
 2 石楠花谷の三俣山
   花を散らしつ藪分けて
   湯沢に下る山男
   メランコリーを知るや君
 
 3 ミヤマキリシマ咲き誇る
   山はピンクに大船の
   段原放徨う山男
   花の情も知る者ぞ
 
 4 四面山なる坊ケツル
   夏はキャンプの火を囲み
   夜空を仰ぐ山男
   無我を悟るはこの時ぞ

 5 深山紅葉に初時雨
   暮雨滝(くらざめたき)の水音を
   佇(たたず)み聞くは山男
   もののあわれを知る頃ぞ


 6 町の乙女等思いつつ
   尾根の処女雪蹴り立てつつ
   久住に立つや山男
   浩然の気は云いがたし

 7 白銀の峰思いつつ
   今宵湯宿に身を寄せつ
   斗志に燃ゆる山男
   夢に九重の雪を蹴る

 8 出湯の窓に夜霧来て
   せせらぎに寝る山宿に
   一夜を憩う山男
   星を仰ぎて明日を待つ

 9 三俣の尾根に霧飛びて
   平治に厚き雲は来ぬ
   峰を仰ぎて山男
   今草原の草に伏す