ウペペサンケ山(1836m)


糠平コース登山口ーウペペサンケ山

平成15年 7月6日 曇りのち晴 山本公雄・洋子
層雲峡(4:55)−糠平温泉(5:55)−(6:30)登山口(6:35)−(7:50)1399峰(8:10) −(9:00)1610m峰(9:10)−(9:30)菅野温泉コース分岐−(10:40)糠平富士山頂(10:50) −(11:40)ウペペサンケ山本峰(12:05)−(12:50)糠平富士山頂(12:55)−(13:40)菅野温泉コース分岐 −(9:00)1610m峰(9:10)−(14:45)1399峰(14:50)−(15:55)登山口
 登り5時間05分 山頂休憩25分 下り3時間50分  行動時間 9時間20分

 ウペペサンケ山は前回菅野温泉コースから登ったが、ガスの中で展望はきかなかった。 長い稜線から、ニペソツ、トムラウシ、十勝連峰を見たいと思い再び計画する。

 朝5時、前日泊った層雲峡を出発。空は曇っている。山の天気はどうだろう。 不安な気持ちで三国峠で降り、山を見る。ニペソツ、ウペペサンケ山が見えた。
(写真右:三国峠からの展望。右手の尖った山が二ペソツ。 その左の台形の山がウペペサンケ山。)
 約1時間で糠平温泉着。林道を約30分、登山口(第二)に着く。 駐車場もなく、やや広くなった道端に車を停める。簡単な登山口の標識と地図の看板で ここが登山口とわかる。
 登山口からすぐ登りとなる。歩きはじめ、まもなく小さな沢を渡ると、登山道に水が流れてくる。 左手にあるその水の出所 が最後の水場だ。滴り落ちる湧き水は冷たくおいしい。「ウペペの水」とでも名前をつけたくなる 名水だ。



 なおも登りがつづく。かなりササに覆われて、歩きづらい。いいかげん疲れた頃、 やっと1399m峰に着く。少し展望が開けほっとする。右手に1610m峰ピークが見える。 (写真右:1399m峰から見る1610m峰方面。)
 登ってきた道に左手にも踏み跡があるが、迷い道。ちょっとわかりずらいが、 写真の石の右手ところに標識があり、そこが1610m峰への登山道である。

 1610m峰へ向かう。ササや木に覆われ歩きづらい。ところどころに咲くゴゼンタチバナとエリモシャクナゲ が疲れた体をなぐさめてくれる。



 やっと1610m峰のピークに着く。ついに大展望が開け、遥かつづく尾根道の彼方にウペペサンケの全容が 姿を現す。二ペソツは山の後ろで見えない。 (写真左:つづく尾根道と糠平富士の山頂。糠平富士にはまだ遠い。 糠平富士の左手には稜線の凹凸。そこにウペペサンケ山の最高点がある。)






 ハイマツの尾根を進む。イソツツジ、コケモモの花がいたるところに咲いている。 以前に登ってきた菅野温泉コースの分岐に着く。この辺はハイマツの背が高い。わずかな登り で最終ピークに出る。

 ウペペサンケ山への最後の登りが眼前に広がる。最も高く見えるのが糠平富士。 糠平富士にはもうひと頑張り。低く見えるが、糠平富士の左手のいったん下って、 奥の稜線の凹凸の右から4番目がウペペサンケ山の最高点。

糠平富士への最後の登り


 ここからの登りはつらかったけど、尾根の斜面にいろいろな花がきれいに咲いている。コマクサもところどころ群生し、 なんといってもエゾツツジがすばらしかった。北海道の高山植物の中でももっとも艶やかな この花。何度も見ているが、今迄で最高のすばらしさであった。 (写真下:エゾツツジの群落)




 花を見ながらゆっくり登る。やっと糠平富士の山頂に着く。ウペペサンケ山の標識もあるが、 ここは最高点ではない。眼前に二ペソツが表大雪、高根が原をバックに姿を現す。


二ペソツ山
前天狗から山頂へのつり尾根がよくわかる。
この登りがけっこうつらかった。


 糠平富士から歩いてきた尾根道を振り返る。尾根の先端から、はるばる来たなと感激する。 


糠平富士から振り返る登山道。


 ゆっくりしてはいられない。ウペペサンケ山の最高点(本峰)を目指して出発。まもなく かなり下る。この切れ込みの最低部には雪渓がのこり、キバナシャクナゲ、ハクサンイチゲが咲いていた。 再び登り、見晴らしの良い狭い尾根を少し行くやっとウペペサンケ山(本峰)の標識があり 最高点に着いた。さらに西峰へ道はつづいていたが疲れていたのでここで終わりとする。 遥か、十勝連峰とトムラウシを眺める。考えていたより遠い。十勝連峰とトムラウシの間は ずいぶん長いなー。ここの縦走は岳人のあこがれのコースだ。僕にとってはもう夢のまた夢。



ウペペサンケ山(本峰)山頂より十勝連峰、大雪山を望む。
左は十勝岳から オプタテシケ山。少し離れて右手にトムラウシ山。


 12時。予定を相当オーバー。急いで昼食をとり、下山する。風もなく、晴れてきて 蒸し暑い。下山もきつかった。飲料水が不足。最後「ウペペの水?」をおもいっきり 飲んでこの登山を終えた。

アドバイス: かなりきつかった。体力が落ちたのかな。 前回あまり疲れなかったので甘くみていたこともある。蒸し暑かったので水も相当飲んだ。念願のニペソツ、トムラウシ、 十勝連峰を見ることが出来て目的は達したが、ややガスっていていまいち。そのかわり、 多くの高山植物を見ることが出来た。とくにエゾツツジはきれいだった。
 ウペペサンケ山は山頂が稜線となっていて長い。どこまで登るか?
@糠平富士まで。糠平温泉から延々と尾根をたどり登り、ここまででもかなり十分と思われる。 コマクサやエゾツツジのお花畑はここの登りにある。途中にちいさいがチングルマ、ツガザクラ の咲いていた場所もあった。
Aウペペサンケ山(本峰)まで。糠平富士から約1時間。途中の切れ込みが疲れた足にはつらい。 ただ、痩せ尾根がありなかなかのコースだ。最高点である。
Bさらに西峰まで。ここは戻ってきた登山者にきくと、前にさえぎるものがなく、十勝連峰や トムラウシを眺めることが出来るという。展望をみるのには最高とのこと。残念ながら 僕はいかなかった。菅野温泉林道から直接西峰に登って来た登山者がいたという。確かによくみると踏み跡がみえた。
 それぞれの目的と体力にあわせてどこまで登るか決定することになるが、とにかく長い尾根で 水場はなく、風の強いときは要注意。登山者は少なく、静かな登山を楽しめる。今回は他に5パーティほど。 ただし、5−6人の団体もいた。登る人がすくないせいか道もハイマツやササにかなり覆われている。 それだけ自然が残っている感じ。東大雪の隠れた名山と思う。
 糠平温泉には国設むかびらキャンプ場があり快適なキャンプが楽しめる。ウペペサンケ山はもとより、 二ペソツ山、石狩岳、クマネシリ山など東大雪の登山の基地として利用できる。