天塩岳 1558


天塩ヒュッテー丸山ー天塩岳ー前天塩岳ー天塩ヒュッテ

 平成10年 6月14日 晴れ  山本公雄
  天塩ヒュッテ(8:15)ーーー新道分岐(8:40)ーーー尾根分岐(9:20)ーーー(10:15)丸山(10:20) ーーー(10:45)避難小屋(10:50)ーーー(11:30)天塩岳山頂(11:45)ーーー(12:40)前天塩岳山頂(12:45) ーーー(14:00)旧道分岐ーーー新道分岐(14:15)ーーー(14:30)ヒュッテ 登り3:15 下り2:45 全行程6時間15分
 道北の山はまだ登っていない。天塩岳は以前から、登りたいと思っていた山 だ。自宅から3時間で登山口の天塩ヒュッテに着く。ヒュッテから沢沿いの道を行く。 まだ春の息吹が残り、春の遅い道北を実感する。尾根に出ると道沿いにいたるところに、 北大の紋章にもなっているエンレイ草が咲いている。エンレイ草には 茶色の花弁の、本来のエンレイ草と、白い花弁のミヤマエンレイ草があるが、 ここには両種が混在している。 エンレイ草に混じって、ツバメオモトもたくさん咲いている。 幅広い君子欄のような葉の中心から伸びた茎に、葉には似つかないすずらんのような 小さな可憐な白い花をつけている。 葉と花のアンバランスがこの花の美しさか。 さすがに登山者の少ない北の山の豊かな自然を感じる。やがて、視界が開け、 山頂へのなだらかな稜線が見えてくる。 だんだん見晴らしがよくなる。 平らな丸山から山頂を眺める。広々とした、なだらかな曲面 を描き山なみが広がる。この雄大さが天塩岳の魅力だろう。いったん下がった所に 三角屋根の避難小屋がある。そこからいよいよ最後のなだらかな、長い登りで山頂に着く。 (写真上:天塩岳の最後の登り) 山頂から見えるのは山ばかり、奥深い山に来たことを実感する。 (写真下:天塩岳から登山道を振り返る。右手に丸山が見える。) 昼食後、目前に聳えている前天塩岳を目指す。足が重い。 やっとの思いで山頂に着く。 (写真右:前天塩から天塩岳) 天塩岳と異なり、前天塩岳の片面は荒々しい絶壁だ。 山は崩れかかっている。 そこに高山植物が厳しい環境のなかで、必死に咲いている。 花は前天塩岳の方がおおい。特に黄色のミヤマキンバイが印象的だった。 前天塩岳からの下りはガレ場続きで難儀した。かなりきつい山行であったが、 対照的な二つの山頂を味わうことができた。
アドバイス:なだらかで、 雄大な天塩岳と絶壁の前天塩岳の両方を一周できる。やや疲れるが、 満足できるコースである。まだ、自然が残っていると実感できる 山である。