清岳荘ー旧道ー斜里岳ー旧道ー清岳荘 |
平成11年 7月24日 曇り一時晴れのち雷雨 山本公雄・ 樋田文太郎 |
登山口(7:15)ーーー下二股(8:15)ーーー上二股(9:30)ーーー (10:10)馬の背(10:15)ーーー(10:45)斜里岳山頂(11:00) ーーー上二股(11:45)ーーー(12:10)下二股(12:15)ーーー(13:00)登山口 登り 3:00 下り 2:00 全行程5時間45分 |
1年ぶりの樋田君との山行である。樋田君は釧路の近郊に住んでいるので斜里岳には何度も登っている。
今回は僕のために案内してくれた。
道の駅摩周で待ち合わせ、清里のオートキャンプ場に着いた時はもう暗くなっていた。
テントを張り樋田君が用意してくれたカルビの焼き肉をごちそうになる。
クマの心配な地域では、焼肉は匂いでクマをひきよせるので、ご法度ではあるが、
このキャンプ場では心配ないだろう。再会を喜び、話がはずみ、ウイスキーも少し飲み過ぎてしまう。
翌朝6:00起床。そとはどんより曇っている。雨は降っていない。
なんとか登山は出来そう。せっかくここまで来て登らずには帰れない。
カップラーメンの朝食をすませ、登山口に向かう。
登山口にある清風荘は昨年焼失し今は仮小屋で営業している。
登山口にはすでにたくさんの車が駐車している。日本百名山のひとつなので人気があるのだ。
登山道は沢コースで何度も沢を徒渉する。
(写真右上:沢コースを登る)
一般の登山コースとしては悪路に属する。
誤って足をすべらせればかなり危険な所もある。沢コースを楽しむ余裕が必要だが、寝不足で足が重い。
やっとの思いで沢を過ぎ上の二股に着く。ここから馬の背までは胸先八丁でかなりきつい。
途中で休みながらやっとの思いで馬の背に着く。山頂が眼前にその姿を現す。
(写真左:馬の背から山頂を望む)
少し青空も見える。晴れてよかった。馬の背から山頂までは見通しの良い尾根で快適である。
最後のガレ場を登ると山頂である。もう10人ぐらいの人がいる。
登ってきた馬の背ははるか下に見え南斜里岳に続いている。
(写真右下:山頂から馬の背、南斜里岳を振り返る)
斜里岳は下界から見ると単独峰のように見えるが、こうして山頂に登ってみると
山頂はかなり複雑な地形をしている。知床半島や羅臼岳は雲の中でみえないが、
阿寒のほうは、見渡せる。摩周湖は青ではなく白い雲の海のようにみえる。
もしかしたら摩周湖は霧かもしれない。
昼食を食べ下山する。知床方面から見る見るうちに、黒い雲が近づいてくる。
大気は不安定なようだ。上の二股あたりから小雨が降り始めた。
熊見峠を通る尾根コースで下山したいと思っていたが、
時間の短い沢コースを下ることに変更する。急に雨が強くなり雷鳴が頻回に近くでとどろく。
尾根コースでなくてよかった。
しかし、雨はますます強くなる。みるみるうちに沢は清流から
濁流にかわり、増水し、すべりやすく、徒渉するにも川幅は広くなり飛び石も水に隠れ、
流れも激しい。何度か水に足をとられ、登山靴の中は水びたしだ。
登る時とは全く違う状態に、あらためて雨の沢コースの恐ろしさを実感する。
途中で小さな子供づれの団体にあう。かなり難儀している。
登山を途中で中止し、引き返えしているところのようだ。
子供の渡渉や降りるのを少し手助けする。
このコースは小さな子供では無理である。下山して知ったのだが、
小屋の管理人がやめたほうがいいと忠告したのにと、言っていた。
こんな苦しい目にあったら、子供は山登りがきらいになるかもしれないと心配する。 清里の温泉で濡れた体を暖めながら、雷雨の中の沢コース、 もし尾根コースをとっていたらどうであったろうと考える。あの激しい雷鳴だったから、 きっと沢コースより恐ろしかったに違いない。最近は天候の良い時にのみ登山していたので、 忘れていた悪天の山の危険をちょっぴり思いださせてくれた山行だった。 |
アドバイス:斜里岳のこのコースは 一般の登山道としては悪路に属する。ふもとから見る斜里岳は円錐形の 単独峰に思えるが、登って、山頂から眺めると複雑な地形に驚かされる。 |