沼の原(1435m)


クチャウンベツ川登山口ー沼の原ー登山口

平成15年 6月15日 快晴 山本公雄・樋田文太郎
層雲峡(7:35)−ヤンベ分岐(7:55)−(8:10)登山口(8:30)−(9:55)沼の原入口 −(10:05)沼の原分岐(10:20)−(10:35)大沼(10:40)−(10:55)沼の原分岐(11:30)−(12:35)登山口
沼の原分岐まで 登り1時間35分 下り 1時間05分
  沼の原はトムラウシ山の展望台として有名で、トムラウシ山の写真では必ずといってよいほど 沼の原からの写真が掲載されている。短い登山なので、いままでも何度か登ろうと思っていたが、 天候が悪かったり、クマ騒動もあったりして延び延びになっていた。今回、残雪のトムラウシ山を 見ようと計画する。
 前日、層雲峡に入る。小雨まじりの天気。天気予報では明日は晴れ時々曇りだが、かなり心配。 宿泊予定のペンション(素泊まり 4000円)に着くと相棒はすでに到着していた。各部屋の名前 は大雪の山や花の名前がつけられていてうれしい。 我部屋は「桂月」。大雪山を有名にした文豪、大町桂月 の業績を讃え名づけた桂月岳(1938m)のことだ。この山は黒岳石室の後ろにある。 雑談後、隣の黒岳の湯で温泉につかる。 部屋に戻り、山の話に花を咲かせて、夜12:00頃眠る。


 翌朝7時前、目覚める。気になって窓から空を見ると快晴。行程には余裕があるが、これは 大変、急いで相棒を起こし、出発の準備。だんだん天気がよくなるからゆっくり出発しようと、 話していたが、じっとしてはいられない。

 花に飾られたペンションを出発。国道から高原温泉へ向かい、出発してから20分で高原温泉との林道の分岐点ヤンベ分岐につく。 ここにはゲートがあり、鍵がかかっている。 前もって上川森林管理事務所(Tel:01658-2-1171)で聞いていた 鍵の番号でゲートを開け林道に入る。




 林道は良く整備され、通行に支障はない。 分岐から、20弱で登山口に到着。20台は楽に停められる広い駐車場になっていて、 トイレもあった。すでに2台が駐車してあった。




 いよいよ登山開始。道は広く迷う心配はない。まもなく沢の渡渉点。増水が心配され、靴が濡れる ことを覚悟していたが、丸木橋ができていて大助かり。第二の沢を渡る地点にも 丸木橋が出来ていた。尾根道の登りになる。ややしばらく行くと、傾斜が強くなるが少しの間で、 それを過ぎると平坦に近いのぼりになって、沼の原の入り口に着いた。 ここからは木道がつけられている。木々の間からで残雪のトムラウシ山がちらちら見え始める。





 まもなくやや広い沼が現れ、はっきりとトムラウシ山が現れた。大きい。トムラウシは 独立峰のように聳えている。水面にその姿を映す。






トムラウシ山の右手には高根ヶ原が白雲岳までつづく
(写真左:中心は白雲岳。左は高根が原。右のなだらかな山頂は小泉岳、 その右端の突起が赤岳)








トムラウシ山の左手には十勝連峰が残雪に輝いている。
(写真左:左奥から十勝岳、美瑛岳、オプタテシケ山)




 至福の時だ。かって若かりしとき、一緒にトムラウシ山を目指し、旭岳から白雲を越え、高根ヶ原を歩いたとき のことが走馬灯のように思い出す。30数年後の今、同じ友とここでその道を共に振り返ることが出来るとは なんという幸福なことか。


 沼の原分岐に着く。あいかわらずトムラウシ山から化雲(かうん)岳、五色岳、高根が原の 途方もなく長い稜線が見える。大沼方面から年配の4人パーティが戻ってくる。「すばらしいですね。」 そんな会話がぴったりだ。

 少し休憩して大沼方面へ向かう。大小の沼の中を縫うように 木道がどこまでもつづく。正面にはトムラウシ山。これがカムイミンタラ、神々の遊ぶ山々(にわ)。 そんな気持ちにさせる。



 大沼に到着するも、ゆっくり休むところがない。写真を撮って 分岐に戻る。ゆっくり食事をとって、何度もこの壮大な光景を目に焼き付ける。


 下りは快調。約1時間で登山口につく。時間があるので、もう一度、層雲峡に 戻り、滝見物。最後にホテルの露天風呂から黒岳、凌雲岳、北鎮岳を眺めて今回の山行を終えた。

アドバイス: ずいぶん楽な行程であった。3年前から 新得側の林道崩壊のため、ヌプントムラウシ温泉からは沼の原には入れない。 したがって、この道が唯一の沼の原への直登コースである。 このコースなら何度きてもいい。もっと足をのばすと五色ヶ原の雄大なお花畑からトムラウシ山を 眺めることができるのだが、まだ行ったことがない。沼の原はキャンプ指定地であるが、大沼周辺 はこの時期は湿っていてとてもテントを張れる状態ではなかった。分岐で1張りは張れるが・・・。