東大雪・ニペソツ山 2012m


杉沢出会登山口ーニペソツ山ー登山口

平成14年 7月14日 曇り  山本公雄、洋子
 登山口(6:10)−−−天狗のコル(8:30/8:40)−−−前天狗(9:45)−−−天狗平(10:00) −−−尾根コル(10:30/10:35)−−−山頂(11:25/11:35)−−−お花畑(15分休憩)−−−天狗平(12:55) −−−お花畑(5分休憩)−−−前天狗(13:15)−−−天狗のコル(14:15)−−−登山口(15:55)
登り5:15 下り4:20 全行程9時間45分
 台風6号が北海道に7月11日に上陸。トムラウシ山ではこの台風下、2件の遭難事故が発生した。 台風後の晴天を期待して計画していた登山ではあったが、天候はぐずつき、予報は曇り、雨。 遭難事故の直後だけに、雨が降ったら、すぐ下山覚悟で決行とする。層雲峡から早朝、1時間で 登山口に着く。林道は道もよく石狩岳方面の分岐があるだけで、迷う心配はない。登山口にはすでに、 10台前後の車が駐車してある。天候がかんばしくないのに、さすがに人気の山だ。 最初は登山口5:00出発を考えていたが、人が少ないと熊が心配という、洋子の気持ち から、1時間繰り下げたのだが、この山は時間がかかるので、原則は5:00には出発するのが普通だろう。 天候は曇りだが、雲は高い。9名ほどの中年男女の団体が出発の準備をしている。
 6時10分登山開始。林の中の登山道をゆっくり登る。最初急ぐと途中でばてる心配がある。 後から登ってきた団体としばらく抜きつ抜かれつ登る。2時間で小天狗の岩場に着く。洋子は怖くて 渡れない。(写真右上:小天狗の岩場)あとから団体が到着。 意を決して洋子も無事渡る。 どうも前に怖い思いをしてから、恐怖心が強いようだ。帰りも心配。(少し岩をけずって つかみみやすいようにしてある。) この岩を過ぎるとなだらかな下り、正面にニペソツと間違う前天狗が見えた。山頂はその奥、遥か遠い。 少し日がさしてくる。(写真左上:前天狗、二ペソツと見間違う)
 笹道を下っていく。まもなく平らな小さなお花畑にでた。チングルマが咲いている。この あたりが、天狗のコルだろう。標識はない。ゆるやかな登りになる。しだいにハイマツが多くなる。 さらに、だんだんガレ岩の登山道に変わっていく。 幌加温泉の分岐を通る道と、分岐をトラバース する道があるはずだが、わからない。トラバースの道を歩いているようだ。 (写真右上:天狗への登山道)イワウメやイワヒゲが、 かわいらしいく咲いている。イソツツジの群落もみごと。 (写真右中:イソツツジの群落とその花) 高山ムードの快適なところだが、ガスが立ちこめ周囲は見えない。 さっきより、ガスってきたようだ。
 前天狗の山頂には、幌加温泉の分岐の標識が立っている。前天狗の名前はない。ガスの切れ目から 天狗平の上に天狗岳が顔を出した。二ペソツはガスの中。カメラのシャッターを押す。すぐに、ガスに また隠れる。 (写真左中:前天狗付近から天狗岳、二ペソツはガスの中)
 前天狗から大きな岩の上の道を下る。小さな沢を渡り、天狗の登りとなる。美しいお花畑だ。 チングルマとツガザクラのピンクが一面に咲く。さらに登り返して天狗平。ニペソツが堂々と聳え、 この登山のクライマックスのはずであったが、ガスに覆われ全く見えず。所々に咲くイワウメが そんな気持ちを慰めてくれた。(写真右下:天狗平のイワウメ)  狭い稜線の道を登る。なかなか着かない。下山してくる登山者に「頂上は まもなくですか。」と聞く。「15分ぐらい下って来たところですよ。」の返事。ガレ場になりやっと山頂 に着く。
 山頂には誰もいない。ガスが立ちこめ全く視界はきかない。 風がかなり強く吹き付ける。早々に 下山開始。(写真左下:山頂にて筆者) 途中で団体とすれちがう。皆元気そうだ。山頂直下のコルから、天狗平への登りは疲れた 脚にはつらい。天狗平の入り口の右手の崖のそばに美しいお花畑を見つけ、一休みをする。 ガスの中の静かなお花畑。心休まるひと時を過ごす。その後もときどき立ち止まって、花を眺めながら 下る。小天狗の岩場も無事通過、日暮れが近づいた林の尾根道を下って行った。下りも長かった。
アドバイス: 僕にとっては2度目のニペソツ。残念ながら、 今回は、その雄姿は望めなかった。もう一度来よう。今度はその雄姿を目に焼き付けるために。前回は30年 も前のことでしたが、その時の感動を今回も蘇らせてくれました。(写真右:30年前の筆者)
 起伏か多く時間がかかるこの山は、午前5時には出発すべきでした。途中、地名の標識がなく、 初めての登山者は現時点がどこなのか、わかりずらいと思います。よくガイドブックを頭に入れておく必要があります。 起伏が多いので、下りも時間がかかります。ガレ場は注意しないと道に迷いそう。
 お花畑で写真を撮っていた方が、「先に下っていったグループの人が、お花畑の中に入ったり、杖をふりまわしたり、花の上に座って写真をとったり、 花がかわいそうだった。」と話していた。
 注意書きが全くないこの山、この山の自然をこれからも守って行かねばならないと 思います。そんな気持ちにさせる北の山です。