東大雪・西クマネシリ岳 1635m


登山口ー西クマネシリ岳ー登山口

平成14年 6月9日 曇りときどき晴れ  山本公雄、樋田文太郎
 登山口(9:35)−−−二股(10:00)−−−(10:35)尾根とりつき点(10:43)−−−(11:50)山頂(12:20) −−−(13:02)尾根とりつき点(13:10)−−−二股(13:30)−−−(13:50)登山口
登り2:15 下り1:30 全行程4時間15分
 層雲峡から大雪湖を通り、糠平湖に向かう国道273号線は東大雪の山並み が美しい、日本でも有数の山岳道路である。糠平に向かって右手には登山者のあこがれ の山、二ペソツ岳、石狩岳がある。西クマネシリ岳はこの国道の左手にあり、 ピリベツ岳と並んでそびえ、二つの山容から、おっぱい岳と俗称される。 (写真右上:十勝三股付近からみる西クマネシリ岳(右)とピリベツ岳)三国峠 から見るこの山は、二つは重なるも、荒々しい様相をみせ、登りたい衝動にかられる。 (写真右中:三国峠付近からみる西クマネシリ岳とピリベツ岳)
 前日夕方、糠平キャンプ場でテントをはる。広くきれいなキャンプ場で水洗トイレも 立派で、気持ちが良い。約1年ぶりの樋田君との再会で、夜遅くまで話は尽きない。 深夜、寒冷前線が通り、雷、強風、雨かふる。早く通り過ぎよ。と祈る。  翌朝曇り。雨は降っていない。天候の回復を考え、遅めに出発。林道の入り口はわかりずらい。 十勝三股から層雲峡に向かって、数分のところにあり、シンノスケ林道の看板のみ目につくが、 よく見ると向かって左手に登山口の看板もついている。 ここから、ほぼ、まっすぐ奥にはいる。 二箇所ほど、林道の岐道があるが、広いほうを真っ直ぐ入ると5分ほどで登山口に着く。 林道は平坦で道は良い。一般の乗用車でも十分だ。 登山口は林道がさらに左手にカーブする地点で、広場になっており、赤い目印をつけた標識 がある。車10台は楽に駐車できる広さだ。 (写真左上:登山口の標識) 今回は1台だけ、すでに駐車してある。
 身支度を整え、出発。林道跡をたどる道だ。まもなく道は石がごろごろと露出し、涸沢を歩く気分。 (写真左下:登り始めの登山道) 所々には赤い目印があるが、この道でいいのかなーと少し 不安になる。まもなく小屋に着く。小屋といっても、傾き、腐りかけ、とても入る気分にはならない。 小屋を過ぎ、すぐ、二股。ここは、木材の集積場があったのだろう。広い広場になっている。 直進すると登山の標識があり、の標識に従い右手の林道跡にはいる。林道にはだいぶ草が生えてきている。 まもなく林道は二つにわかれる。ここは、注意深く見ると、右手に赤い目印があり、沢沿いに コースをとる。さらに少し行くと、再び分岐がある。フキがはえてきている沢に下り気味の道と、 左手に少し登り気味の林道跡だ。 ここの目印はわかりずらいが、左手の木に白いテープがついている。 踏み跡もあり下から見て、左手が登山道である。あとは迷うところはない。尾根の取り付き点は、 簡単に木を組んだ標識もあり、わかりやすい。
 いよいよ登りが続く。なかなか森林限界にならない。ここで先に登っていた若い女性2人が 下山してくる。「岩場こわいよー。」彼女達の言葉。「われわれも心配される年代になったか!」 樋田君と苦笑い。右手に山頂が見え始め、白樺の林を過ぎると 山頂はまもなくである。ピリベツ岳への分岐は目印がついていてすぐわかる。岩峰の取り付き点 にはロープがついている。ロープをつかみながら、切れ込みをまたぐことになるが、狭い幅なので それほどの恐怖感はない。注意深く越える。あとはやせ尾根をたどりながら山頂につく。
 風は時々突風。空は曇り。時に雲の切れ目から日が射す。登っているときははっきりしなかった 東大雪の山々がその姿を現す。ニペソツ、石狩の山頂は雲の中。ウペペサンケのみが長く平らな 山頂部まではっきりわかる。いずれも、樋田君と登った山だ。昨日のことのように思い出す。  寒くなって来たので早々に昼食を食べ、下山する。まだ花は少ない。エゾムラサキツツジ、 ヤマザクラ、がわずかな花をつけている。岩の隙間から、ミヤマキンバイの黄色の 花が風に激しく揺れながらも美しく咲いていたのが印象的であった。 (写真右下:岩の隙間に咲いていたミヤマキンバイ)
アドバイス: この山には、かって尾根筋に登山道が ついていて、いまでも国土地理院の地形図にはその登山道が記入されている。しかし、林道が延び その林道を経由した登山道が開かれたために、昔の登山道は廃道となっている。その林道も 使われなくなり、草が生えはじめ、一部は水に流され沢跡のようになっている。なにか、もの悲しさ を感じる。この山は登って楽しい山というより、東大雪の山々の展望台の山と言えよう。
 糠平のキャンプ場は快適。糠平温泉のホテルには露天風呂もあるが、施設としてはまだ小さい。 幌加温泉の温泉は混浴の素朴なひなびた宿という感じである。