定山渓・天狗岳 1144.9m


登山口ー熊の沢ー定山渓・天狗岳

平成14年 8月17日 曇り  山本公雄
 登山口(10:30)−−−小さな滝(11:30)−−−(12:10)山頂下花畑(12:30)−−−(13:00)山頂(13:20) −−−山頂下花畑(13:40)−−−(14:40)小さな滝(14:50)−−−(15:25)登山口
登り2:30 下り2:05 全行程4時間55分
 定山渓の天狗岳は札幌近郊の山ではめずらしい岩山で、その独特の風貌から、定天といわれ親しまれている。 30年ぶりに再び訪れてみた。30年前も単独行であった。
 今日は曇り。車道から見える天狗岳は、ガスが漂い、神秘的だ。
 (写真左上:天狗岳)
 余市岳右股の登山口が天狗岳の林道の入り口となっている。この天狗岳林道は神居橋まで続いて いるが、神居橋にはゲートがあり、閉めてあり、余市岳登山口から入るよう注意書きがあった。 この登山口のところには、小さな小屋があり、案内板が立っている。
               (写真右上:余市右股登山口の小屋と案内図)
 天狗岳の本当の登山口まで、右手の林道を入る。林道は整備されていて、5分ほどで天狗岳登山口 に着く。登山口には4台の車が駐車してあった。
 (写真右上:天狗岳登山口の標識)
 いよいよ、熊の沢の登山道に入る。樹林帯の沢沿いの道。前に登ったときは東尾根から入り、この道 を下ったのであるがその時のことは覚えていない。何度か沢を横切り小さな滝で休む。道はこの滝の横の 壁を登るようだ。長い枝が立てかけてあり、赤い布がついている。
(写真左:小さな滝と進路を示す木の枝)
 それほどの壁でないので、簡単に登る。 沢は次第に右手に深く切れ込んでくる。登山道は谷を高巻きして ついているようだ。すでに黄葉が始まっている。長い滝に黄葉したイタヤカエデがまぶしい。 落ち葉も登山道に敷きつめ、まだ8月中旬というのに秋の風情が漂う。今年の北海道は天候が悪く、 寒い日が続いていた。過敏な植物は秋が来たと、早とちりしたに違いない。以前にもこんな年があった。 その年の紅葉は美しくなかった。今年も紅葉はあまり期待できないかもしれない。
(写真左横:黄葉と滝、落ち葉の登山道)
 やがて、山頂の岩峰が見えてくる。なかなか迫力がある。山頂の岩峰直下に着く。見ると、 アサギリソウの中に赤い花が咲いている。そばに近づきよく見るとタカネナデシコだ。 アサギリソウに囲まれて咲く一輪の赤いタカネナデシコの花。 ここまで登って来てよかったと思う瞬間である。
(写真右:アサギリソウに囲まれて咲くタカネナデシコ)
 いよいよ、天狗岳の最大の難所のルンゼ(岩溝)だ。ロープは張ってあるが、岩肌は湿っていて 滑りやすい。ここは、30年前に下ったときの記憶もはっきり覚えている。ロープにぶらさがり ながら無事登る。(写真左下:山頂直下のルンゼ)あとは危険なところはなかった。 山頂には高年の二人パーティが休んでいた。  途中で下山してくる3パーティに会ったので今日登っている最後のパーティである。 以前の記憶より、山頂は木が茂っている。岩の上から周囲を見渡す。札幌近郊の山はガスの中だ。 さっぽろ湖が見える。 (写真右下:山頂から見下ろすさっぽろ湖) 二人パーティはまもなく下山。あとは一人で、昔登った時のことを、静かに 思い出しながら、遅い昼食をとった。
 なんとなく名残惜しい気持ちで下山開始。山は変わったのか、変わっていないのか。どうも わからない。ただ、以前もこの道を一人で下ったということが、不思議に、心安らかにさせる。 小さな滝のところで、先に下っていたパーティに追いつき、3人で昔の山の話をする。毎年、1−2度 単独行もするが、人懐かしくなる自分を発見する。
 たまには、思い出をたどる単独行もまた、いいものである。
アドバイス: この熊の沢のコースは、岩場が 苦手な人にはちょとつらいところもある。前に登った東尾根コースは見晴らしもよく 快適な記憶が残っている。ただ、最後の岩峰への登りの壁はちょっとした岩登りで、 途中で、身動きが出来ず苦労した。いまはさらに崩れ、危険な状態のようだ。 本当はここを整備して、天狗岳を一周できるようになれば、変化に富んだ 素晴らしいコースになると思うけれど・・・・。