登山口ー平山ー登山口 |
平成11年 8月8日 快晴 山本公雄・洋子
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登山口(10:00)ーーー第一雪渓(11:30)ーーー第二雪渓(11:50)
ーーー稜線分岐(12:00)ーーー(12:20)平山山頂(13:00)
ーーー第一雪渓(13:50)ーーー登山口(15:00)
登り2:20 下り2:00 全行程5時間00分
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北大雪の平山は層雲峡の北に位置し表大雪や、ニセイカウシュッペ山の展望台として名高い。
また、高山植物の宝庫として人気がある。天気は絶好、まだ高山植物も美しいだろう。
早朝わくわくする気持ちで出発する。北見峠を下り右折し林道へ向かう。
雄大な山並みが眼下に広がり、スイスかカナダのようだ。
しだいに、林道は狭くなり、どこから熊がでてきてもおかしくない
原生林の中を進む。やがて、登山口に着くと10台ぐらいがもう駐車している。
まあ、これだけ人が登っていれば熊の心配はないだろう。
沢沿いの登山道は歩きやすい。しかし、所々に登山道がくずれ、
沢に落ち込んでいるところもあり、ロープが張ってある。
しだいに高度があがり、第一雪渓に着く。
雪渓はほんのわずかしか残っていない。
今年は暑く解けてしまっているのだろう。
お花畑も花は少なくエゾノリュウキンカのみが沢の周囲を黄色に染めている。
沢の水は冷たくおいしい。ここからは急な登りである。
時期がよければきっと美しい花の道だろう。
第二雪渓にも花はない。ガレ場を登ると広々とした稜線に着いた。
すばらしい眺めだ。ニセイカウシュッペ山から続く大槍、小槍の稜線は
みごとである。
(写真右上:ニセイカウシュッペ山稜線。左から小槍、
大槍、ニセイカウシュッペ山)
平山山頂まではハイマツのほぼ平らな快適な道だ。
次第に大雪山がその姿を明らかにする。雄大な眺めだ。
黒岳、赤岳など表大雪の山々は大雪山のほんの突起にすぎない。
大雪山の大きさに圧倒される。心ゆくまでその眺望を目に焼き付ける。
(写真中左:平山山頂より表大雪)
昼食後、去り難い気持ちを胸に下山する。本当に、名前のとおり、
山頂部は平らで、比麻奈山方面までハイマツの高原だ。
(写真右下:平山山頂部から分岐、比麻奈山方面を望む)
分岐でもう一度小槍、大槍、ニセイカウシュッペ山を眺め下山する。
調子のでできた洋子は少し先を行く。時々膝が痛くなる僕は下りはにがてだ。
第一雪渓で待っていてくれたので追いつくが、途中からまた先にいってしまう。洋子の熊よけの鈴の音が聞こえるのですぐ前にはいる。だが思わぬアクシデントが待っていた。
冷涼の滝まで来た。本当は滝に下り写真を撮りたかったが、
洋子が先に行っているので気になってそのまま後を追った。
前の方から「パパ!」という叫びが聞こえる。
何事か。あわてていくと、沢に落ち込んでいる斜面の途中で洋子がVの字に
伸びきった状態のロープにぶらさがっている。
斜面の下には沢への崖がある。
洋子の様子では自力で体勢を直せそうもない。
驚いてロープにつかまりながら急いで洋子の所に下り、
洋子の体を持ち上げる。斜面に洋子の足がしっかり踏み込まれ、
立ち上がる。もう大丈夫だ。ロープにつかまりながら、
洋子を先に斜面をゆっくり登る。やっと登山道にもどる。
どうしてこんなことになったのか。
張ってあったロープは中間で木にひっかけていただけで、
実際は相当ゆるんでいた。ロープをつかんで横切っているとき、
滑り、中間がはずれ斜面の途中までズルズルと滑り落ちたのである。
しばらく休んでから滑り落ちた斜面を
慎重に横切る。その後はもう危険な場所はなかった。
帰りに秩父別町の温泉に入る。何度も洋子と山に登ったけれど
こんな危険な目に合ったのは今回が初めてである。
いまさら言うまでもないが、山は危険と背中合わせである。
素晴らしい展望に恵まれ、快適な山行の最後の落とし穴。
湯につかりながら無事をしみじみと喜ぶ。
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アドバイス:平山は
快適な山だ。山頂が平らで、広い高原、正面のニセイカウシュッペ山の
稜線は見事で、表大雪の展望もいい。今回、アクシデントがあったが、
登山道は沢沿いで部分的に少し崩れているので、注意しよう。この時期
は、高山植物はいまいちであった。この山はタカネシオガマが有名。
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