「 オフェーリア 」

ジョン・エヴァレット・ミレー


 この絵はシェークスピアの「ハムレット」の中の悲劇の女性オフェーリアの死を描いている。 恋人のハムレットに父親を殺され、錯乱したはオリーフィアは小川で小枝に花環をかけようとして 枝が折れ、溺死するのである。
 オフェーリアのまわりには正確に描写された野の草花。ヤナギは見捨てられた愛、イラクサは苦悩、ヒナギクは無垢、 パンジーは愛の虚しさを表し、オリーフィアのスミレの首飾りは誠実と純潔と夭折を、手元に浮かぶケシの花は 死を象徴している。そして、水面にはワスレナグサが浮かんでいる。
 何といっても、印象的なのはオフェーリアの表情である。生きているのか、死んでいるのかわからない。 安らかなのか、悲しんでいるのかわからない。この絵は一度見たら忘れられない衝撃を与える。 (絵は一部をカットしています。)