*花名由来*
ゼラニウムは南アフリカ原産種をもとに改良された園芸植物群のことで、鮮やかな花が咲き、 最近のガーデニングでは欠かせない花となっている。独特の匂いで、嫌う人もいるが、最近は 匂いが少ない品種も多い。 このゼラニウムというのは、英語読みで、ラテン語ではゲラニウム。このゲラニウムは 「鶴」の意味で、この花の果実が鶴のくちばしに似ていることから名づけられたという。 ゲラニウムは日本名はフウロソウ。フウロソウ科には薬草として有名なゲンノショウコや、高山植物として 人気のあるハクサンフウロなどがある。このゼラニウムという名前はまぎらわしい。 もともとの分類は ゲラニウム科 ー ゲラニウム属 ー ゲ(ゼ)ラニウム、フウロの仲間 であったが、その後、新しい属がつくられ、そこに移動された。 ゲラニウム科 ー ペラルゴニウム属 ー ゲ(ゼ)ラニウム、ペラルゴニウム (フウロソウ) ー ゲラニウム属 ー フウロの仲間 このように、ゲラニウム属とは別のペラルゴニウム属となったが、名前はそのままゲ(ゼ)ラニウムとして残った。 。現在、ゲラニウムというと、フウロの仲間を、ゼラニウムというと、ペラルゴニウム属 の草花を指すようになった。新しい属名のペラルゴニウムはコウノトリの意味である。 漢字でフウロは「風露」と表記するが、語源ははっきりしていないという。 ゼラニウムの日本名は葉が葵に似ているので「天竺葵」(外国産のアオイの意味)というが、アオイ科とは無関係。 余談になるが、水戸黄門で有名な徳川家の「葵の紋所」は「フタバ(双葉)アオイ」を三つ葉に 図案化したもので、この「フタバアオイ」もアオイ科ではなくウマノスズクサ科の植物である。 |