ラン(蘭)の英語名

ラン科


*花名由来*

 最近インターネット・ショッピングで見つけたハワイアンTシャツの写真。この説明は、 「黒地に大きなオーキット柄」。日本では聞きなれない オーキットとは?この店はハワイ、ホノルルにあり、このオーキット(ド)はランの意味 で使っている。 写真で見るように柄はカトレアである。日本の店の宣伝なら「カトレア柄」とか「ランの花柄」と表現するはず。 このオーキッドはもともとは、睾丸の意味だ。睾丸は英語で、orchis または testis といわれる。 (日本の泌尿器科では testis (精巣の意味が強い)といわれることが多い。) ランは普通二つの塊根をもっているので、男の「睾丸」と表現したという。英国では一般のランを オルキス(orchis)、特に美しい洋ランをオルキド(orchid)と区別しているという。 いま、英米の紳士淑女も平気で、ランのことを orchis 、orchid と、口にするという。それはもう、 この言葉は睾丸というより、美しい花のイメージになっているのである。 インターネット・ショッピングの表現も当然なのしょう。 日本では睾丸を「金玉」というが、英米流では「ラン玉」になりそう。 男としては「ラン玉」のほうが美しくてうれしい気もします。 (実際にこのようにいうかはわかりません。)
 なお、ラン(蘭)の日本名の由来についてはクンシランの項で簡単にふれましたが、 そのほかの種類の洋ランはどうなっているのでしょう。カトレアは洋ランの収集家、カトレイ の名前からつけられ、Cattleya labiata(唇形の)という。デンドロビウムは 「樹木にはえる」の意味。シンビジウムは「舟の形をした」、パフィオペジウム  は「ヴィーナスにささげたスリッパ」である。ファレノプシスはコチョウラン(胡蝶蘭)と いわれるが、もともと ファレノプシス・アマビリス(蝶に似た・愛らしい)をもとにしており、 なかなか良い名前と思います。