ジギタリス

ゴマノハグサ科

「偉大な強心剤」


 *花名由来* 昨年、3種類のジギタリスを買った。 ジギタリスはラテン語のdigitus(指) を語源にしている。このdigitusは英語ではdigital(数字の、指の)で、今はやりの デジタル時計、デジタルカメラの「デジタル」である。植物の「ジギタリス」は英語ではfoxgloveといい ジギタリスの和名「きつねのてぶくろ」のもとの名前だ。花の形が指に似ていることから このような名前がついたらしい。
 1775年、イギリスの医師ウイリアム・ウィザリングがこの花に 強心作用があることを発見しました。その後、ジギトキシン、ジギタミンという成分が分析されました。 この研究から、現在ジギタリス剤と呼ばれる一連の強心剤が合成されています。ジギトキシン、ジゴシン、タルーシン、 ラニラピッドなどの薬があり、多くの慢性心不全の方がその恩恵をうけています。もともとは、 植物が作った偉大な薬なのです。もっとも、ご存知のとおり、抗生物質もカビが作ったものですね。 なお、ジギタリス剤には蓄積作用があり、 勝手な服用は危険で、副作用も強いので要注意。