山の花は可憐で美しい。たとえ、天候に恵まれなくて、景色を見れなくても、
ふと、美しい花に会えたら、それだけで登ってよかったと思う。北海道の山の花から
特に好きな花について述べてみよう。(平成15年7月30日) |
一面のチングルマの花畑、これがお花畑だ。と、うれしくなる。 そして雪渓の溶けたせせらぎのほとり に咲くコザクラの可憐さ。いまにも風で折れそうに揺れながらも、けなげに咲いているその姿に、 「山の花はどうしてこんなにも美しいの?」と、思わず叫んでしまう。もうひとつお花畑で美しい花 はツガザクラだ。エゾツガザクラの群生をみると、心が微笑んでくる。 本州から来た登山者は言う。 北海道の花は美しいと。北海道の山に自然が 残っていることもあろう。 そのほかに、北海道の高山植物は本州と同じ花でも すこし違っていて、その名にエゾ、やエゾノという接頭語がついているものがたくさんある。 エゾ(ノ)ツガザクラ、エゾノハクサンイチゲなどはその例だ。北海道の高山植物は本州とは ちょっと違うのだ。 一方群生とは異なり、ひっそりと咲く山の花にも限りなき愛着を感じる。そんな花に絶滅の危機にある 日高草がある。実はずいぶん前、園芸店で購入して庭で育てたことがある。翌年きれいな白い花が咲き 感動した。残念ながら次の年からは消えてしまった。なんとかこの花を山で見たいと思い 日高のアポイ岳に登った。一回目は見ることが出来なかった。二回目に見ることができて 本当にうれしかった。南アルプス北岳にある北岳草と近縁というが、北岳草はまだあるのだろうか? (写真 右上:アポイ岳の日高草) 利尻岳のリシリヒナゲシも美しい花だ。利尻岳に登ったとき、花を見ることができたが、 小雨の中でゆっくり鑑賞することも、写真に撮ることもできなかった。この花は強い花で、北海道 では平地でも育てることができる。園芸店でよく売っていて、我が家でも花がさいてくれる。 栄養を与えすぎると大きくなりすぎて、可憐さが失われるほどの成長力だ。黄色の花びらの優雅さが魅力。 (写真 左:庭のリシリヒナゲシ) 庭で育てていて、大好きな花にエゾルリソウがある。北海道固有の花というが、この花は花そのものは小さく地味である。 ただ、その花の色、葉の色、形の高貴さがいい。北大雪、ニセイカウシュッペ山で見つけたが、 草原にあり、見逃しそうになるほど目立たなかった。岩場でひっそりと咲いている姿を見たいと思っている。 (写真 右:庭で咲いたエゾルリソウ) 北海道の山の花でなんといっても 一番艶(あで)やかなものはエゾツツジであろう。この花は東北地方 にも分布するという。花が大きく鮮やか、とにかく目立つ。「私はこんなに美しいのよ。」と 言っているようだ。山の花としては鮮やかすぎるとの思いもあるが、岩場でみるこの花の美しさ には目を奪われる。山の美少女だ。 (写真 左:ウペペサンケ山のエゾツツジ) ところで、コマクサを山の花の女王というが、 僕としては、うつむいた、ほんのり赤いその蕾のような花は、あえていうなら山の乙女だと思っている。 皆さんの意見はどうでしょう。 |