懐かしいザック・・・キスリング


 先日、山の資料を見ていたら、故 前島哲夫氏のイラスト漫画が出てきました。なかなか傑作なので紹介します。

 
 
 昭和40、50年代、登山ブームでその頃みんなが使っていた大きなザックが「キスリング」でした。 もともとスイスの「キスリング」という人が考案したのでこの名前で呼ばれたそうです。横長で後ろから見るとカニのようで、 実際に背負って歩く時も改札口やバスに乗るとき、山でもハイマツの中などの狭い道では真っすぐ歩けず、カニのように横を向いて歩きました。  長期旅行する若者も、このリュックサックを背負っていたので、彼らのことを「カニ族」と呼びました。前島氏もカニ族で北海道旅行をしたようです。
その後キスリングは歩きづらかったので縦型のリュックサックに代わってゆきました。その姿を前島氏の一流のセンスとユーモアで「エビ族?」と表現したのはさすがです。

 さて、私もこのキスリングを使っていました。今考えると縦長より大きなサイドポケットが二つあるので荷物の仕分け、取り出しは便利でした。 ただ、パッキングのときは左右のバランスには注意していました。古いアルバムからキスリングの映っている写真を探してみました。
 
 
  
( 大雪山縦走    北アルプス縦走 )

 友人と二人の大雪山縦走では、二人ともキスリング。重くて半分のびていました。北ア縦走では映っているザック3つのうち二つがキスリング。ひとりは縦型だったようですが記憶には ありません。キスリングを背負った山行は縦走登山だったので、その時の様子がなくかしく思いだされます。キスリングに思い出のある人はきっとたくさんいらっしゃると思います。